【書評】「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」の要約と感想まとめ

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こんにちは!
最近話題になっている本「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」を読みました!
 
  
題名はさして面白くなさそうだし、光文社新書なので表紙も他の書籍と変わらず、一見なんの魅力もない本なんですが・・・
 
読んでみると一気に読めちゃいました。
 
言っていることが先進的で爆発的に勉強になります。
 
今この瞬間に是非読んで欲しい!
 
とまあ、めちゃくちゃ良い本なんですが、それだけじゃ魅力が伝わらないと思うので、この本が何を言いたいのかについて簡単にまとめていきたいと思います!
 
 

Contents

この本の主題

この本のタイトルにもあるように今では
 
世界中のエリートが美意識を鍛えるためにアートスクールに通っています。
 
 
名だたる企業が幹部候補をMBAではなくアートスクールに送る理由は何なのでしょうか?
 
MBAをはじめとするビジネススクールでは理性や論理的思考など「サイエンス」について学びます。
 
しかし、現在の様々な要因が絡み合い、複雑で不安定なビジネスの世界では、今まで通用してきた「サイエンス」が通用しなくなってきているのです。
 
それでは具体的に見ていきましょう!
 
 

意思決定のパターンの変遷

意思決定におけるパターンとして「クラフト」、「サイエンス」、「アート」というものがあります。
 
クラフトは経験則にしたがって意思決定するというもの。
すなわち経験していればしているほど意思決定能力は高く、経験が物を言う世界です。
 
高度経済成長期の日本ではクラフト色が強く、四の五の言わずひたすら働いて経験を積めば給料も上がり、実力も付くという時代でした。
 
年功序列の風潮が作り上げられたのも意思決定のクラフト色が強かったためですね。
 
そんなクラフトですが、そのままでは実力をつけるまでに時間がかかってしまいます。
 
もっと早く実力を付けて経営の中枢でバシバシ意思決定できる人間を育てたい。
そんな意識から生まれたのが「サイエンス」的な考え方。
 
当時コンサルティングと言えば企業で経験を積んだシニアが行うのが通例でしたが、それを覆したのが今のマッキンゼーやBCGなどの戦略コンサルティング。
 
彼らは独自の「サイエンス」を作り上げ、経験を積んでいなくても戦略のフレームワークや論理的思考能力を身に付けることで精度の高い意思決定ができる人間を作り上げたのでした。
 
しかし今ではその「サイエンス」が危ぶまれており、「アート」が注目されているのです。
 
 

論理的・理性的な思考能力「サイエンス」の限界

今日に至るまで、多くの企業で取り入れられてきた「サイエンス」の力。
しかしこの「サイエンス」には2つの問題があります。
 
1つ目は、論理的思考能力で導き出した答えは必ず同じようなモノになるということ。
本の中では「正解のコモディティ化」と呼んでいます。
 
「サイエンス」は正直ちゃんと学べば誰でも身に付けることのできるスキル。
 
その「サイエンス」を学んで出した答えは、論理的なので必ず同じようなモノになりますよね?
つまり、「サイエンス」によって意思決定する企業が多ければ多いほど、レッドオーシャンになってしまう。
 
結局みんな同じところを目指すのだから競争が激化し、結局疲弊してしまう。
そんな問題が生じています。
 
2つ目は、そもそも解決できないという問題。
 
昨今のビジネスシーンではVUCAという言葉が良く聞かれるそうです。
 
これはVolatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の4つの頭文字を取ったもので、今日の世界の状況を表したものです。
 
単純な世界では「サイエンス」による論理的思考で正解出すことが可能でしたが、今日のように複雑で曖昧な世界では考慮すべき因子が多すぎて「サイエンス」だけでは正解を出すことが困難です。
 
そこで、直観や感性に頼った「アート」による意思決定が注目されているのです。
 
 

欲求の変化と対応すべきベネフィット

マズローの5大欲求というものがあるのをご存知でしょうか。
 
マズローの5大欲求は、人間の根源的な欲求を段階ごとに表したもので、生存欲求・安全欲求・帰属欲求・承認欲求・自己実現欲求の5つからなります。
 
この欲求は下層の欲求を満たすほど上に上がります。
 
最初は安全に快適に過ごすために生活に必要なものを欲していた人間は、他人から認められるようなものを欲しくなり、さらに自分を高めるものを欲するようになりました。
 
これに応じて提供するべきベネフィットも変わります。
 
機能に訴求すべきなのか、情緒に訴求すべきなのか。
 
情緒的ベネフィットを訴求する時、必要なのは「サイエンス」的思考ではなく、「アート」的思考になります。
 
今日の世界では極端に承認欲求・自己実現欲求の割合が高くなってきており、「サイエンス」では太刀打ちできなくなってきているのもうなずけるでしょう。
 
 

システムの変化にルールが追い付かない

現在、世の中はものすごいスピードで変化しており、システムの変化に法が追い付いていません。
 
システムの変化に追従する形で法が制定されることが良く見受けられます。
 
そんな状況の中「サイエンス」的な思考で意思決定をしてしまうと、後追いで法を犯しているという判断をされかねません。
 
その典型がホリエモンのライブドアショックやDeNAのWELQ問題などです。
 
Googleはイギリスのベンチャー企業ディープマインドを買収した時に人工知能による暴走を食い止めるために人工知能倫理委員会を自社に設置しています。
 
このように現在、法を犯しているかどうかではなく、自分の中にある美意識すなわち「アート」の部分に問いかけ意思決定をするべきなのです。
 
 

どのような組織が優れているのか

さて、ここまで「サイエンス」ではなく「アート」が意思決定に重要だという話をしてきましたが、「サイエンス」がいらないというわけではありません。
 
あくまで「サイエンス」が偏重される時代はもう終わっていて「アート」も磨かなくてはいけないということです。
 
では、組織においても「アート」的人材と「サイエンス」的人材を並行して置けばいいのか?
 
これは必ずしもそういうわけではないのです。
 
なぜなら、「アート」による意思決定と「サイエンス」による意思決定をぶつけると、必ず「サイエンス」が勝つからです。
 
「アート」は直観なので論理的に説明できません。そんな状況では「サイエンス」の議論に勝てるわけがありません。
 
しかし、「サイエンス」による意思決定ではジリ貧になるのが見えています。
 
そこで組織としては、「アート」人材をトップに据え、「サイエンス」や「クラフト」が下から支える構図にするべきだと言います。
 
アップルがそうでした。
 
1980年、スティーブジョブズという圧倒的「アート」人材をトップに据えていた当時のアップルは好調でした。
 
しかしジョブズの感性を理解できる人はほぼ居らず、論理的に説明されない戦略に株主は不満を抱いていました。
 
そんな矢先、残念ながらジョブズは自分がペプシから引き抜いたスカリーに追放されてしまうのです。
アート人材を失ったアップルは迷走し始めます。
 
落ちるまで落ちたアップルは再びジョブズを復帰させトップに据え輝かしい復活劇を描くのです。
 
このストーリーで分かるように「アート」人材は必ず圧倒的な権力を持っていなくてはいけないのです。
 
「アート」人材をトップに据えるか、トップの人間が「アート」人材に権限を委譲する形を取るのが今後の企業の目指すべき姿だと言えます。
 
 

まとめ

いかがだったでしょうか!
 
もし自分が「サイエンス」人間だと思うなら是非この本を読んで「アート」の大切さを学んで欲しい!
 
奇しくも、「アート」の大切さについて論理的に「サイエンス」的に説明しています!
 
是非読んでみてください!
 
 
 
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